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住宅ローン

つなぎ融資の金利と費用|注文住宅で必要になるケースと負担を減らす方法

注文住宅を建てるとき、多くの人がぶつかるのが「住宅ローンの実行前に大きな支払いが発生する」という問題です。土地の購入代金、着工金、上棟金(中間金)は、建物の完成前に支払い期日がやってきます。住宅ローンは原則として建物の完成・引き渡し時に実行されるため、それまでの資金を別途確保しなければなりません。

ここで利用されるのがつなぎ融資です。住宅ローンのつなぎ融資は金利が年2〜3%台と住宅ローン本体(年0.3〜1.5%程度)より高く、手数料も別途かかります。数か月分とはいえ利息の負担は無視できない金額になるため、つなぎ融資の金利の仕組みと費用構造を事前に把握しておくことが重要です。

この記事では、つなぎ融資が必要になるケース、金利の相場と利息計算の方法、手数料の内訳、つなぎ融資が不要な住宅ローンとの比較、利息負担を減らす方法を解説します。つなぎ融資の基本的な仕組みについては注文住宅のつなぎ融資とは?仕組みと金利で解説していますので、あわせて参考にしてください。

つなぎ融資が必要になるケース

つなぎ融資が必要になるのは、住宅ローンの実行前にまとまった支払いが発生するケースです。注文住宅では建築工事の進捗に応じて複数回の支払いが求められるため、つなぎ融資の利用を検討するこになります。

注文住宅の支払いタイミングと融資の関係

支払いタイミング金額目安住宅ローンで対応できるか
土地の売買契約(手付金)土地代の5〜10%不可(自己資金で対応)
土地の決済(残金)土地代の残額不可 → つなぎ融資の対象
建物の請負契約(契約金)建物代の10%前後不可 → つなぎ融資の対象
着工時(着工金)建物代の30%前後不可 → つなぎ融資の対象
上棟時(中間金)建物代の30%前後不可 → つなぎ融資の対象
引き渡し時(残金)残額住宅ローン実行で支払い

土地を先に購入して注文住宅を建てる場合、土地代の決済から建物の引き渡しまで半年から1年ほどかかることもあります。この間のつなぎ融資の利息が、注文住宅特有のコストとして加算されます。

建売住宅やマンションの場合は、完成物件を購入するため住宅ローンの実行と引き渡しが同時に行われます。そのためつなぎ融資は基本的に不要です。

つなぎ融資の金利相場

つなぎ融資の金利は金融機関によって異なりますが、一般的に年2%〜3.5%の範囲で設定されています。住宅ローン本体の金利(変動型で年0.3〜0.7%、固定型で年1.0〜1.8%程度)に比べると高めです。

主な金融機関のつなぎ融資金利(2026年4月時点の目安)

金融機関タイプ金利の目安(年率)特徴
都市銀行2.5〜3.5%つなぎ融資自体を取り扱わない銀行もある
地方銀行2.0〜3.0%地域によって取り扱い有無が分かれる
ネット銀行取り扱いなしが多い分割実行型で代替するケースあり
フラット35取扱機関2.5〜3.0%ARUHI、住信SBIなど専用商品あり
ノンバンク高めの水準審査基準が緩い代わりに金利は高め

つなぎ融資の金利は住宅ローンのように「基準金利 - 引き下げ幅」で優遇される仕組みではなく、表示金利がそのまま適用されるのが一般的です。金融機関によっては住宅ローンとセットで申し込むことで金利優遇を受けられる場合もあるため、つなぎ融資を利用する前提で住宅ローンの金融機関を選ぶ場合は、セット金利の有無を確認してください。

つなぎ融資の利息計算方法

つなぎ融資の利息は日割り計算で発生します。計算式を整理します。

利息 = 借入額 x 年利 x 借入日数 / 365

具体的な試算例

土地代1,500万円、着工金600万円、中間金600万円をつなぎ融資で借りる場合を試算します(つなぎ融資金利 年2.5%、土地代は12か月間、着工金は6か月間、中間金は3か月間の借入を想定)。

融資の区分借入額借入期間利息
土地代1,500万円12か月(365日)375,000円
着工金600万円6か月(183日)75,205円
中間金600万円3か月(91日)37,397円
合計2,700万円約487,600円

この試算では合計約49万円の利息が発生します。建物の工期が延びれば借入期間も延びるため、利息はさらに増加します。工期が1か月延びると、土地代分だけで約3.1万円の利息が追加で発生する計算です。

注文住宅を建てるまでの流れと期間の目安で解説しているように、注文住宅の工期は4〜6か月が一般的ですが、間取りの変更や天候不順、資材の納品遅延などで延びることがあります。つなぎ融資を利用する場合は、工期延長による利息増加分も資金計画に織り込んでおく必要があります。

つなぎ融資にかかる手数料の内訳

つなぎ融資では、利息以外にも手数料がかかります。金融機関や商品によって名称や金額が異なりますが、代表的な費用項目を整理します。

費用項目金額の目安内容
事務手数料5万〜11万円(税込)融資実行時に1回
印紙代2万〜6万円金銭消費貸借契約書に貼付。借入額による
振込手数料数千円融資金の振込時
団体信用生命保険料0円(含まれないことが多い)つなぎ融資には団信が付かないケースが一般的
抵当権設定費用0円(土地に設定しないケースが多い)金融機関による

事務手数料と印紙代で10〜15万円程度、利息と合わせるとつなぎ融資の総コストは50〜80万円程度になるのが一般的です。住宅ローンの保証料(3,000万円・35年で約62万円)と同水準の負担であり、諸費用のなかでも見落とせない項目です。保証料の仕組みや相場については住宅ローンの保証料とは?一括払い・上乗せ型の違いで解説しています。

つなぎ融資には団体信用生命保険が付かないケースが多い点にも注意が必要です。つなぎ融資の借入期間中に借主が死亡した場合、住宅ローン本体の団信は実行前のため適用されず、つなぎ融資の残債は遺族が返済する必要があります。金融機関によってはつなぎ融資にも団信を付帯できる商品を用意しているため、確認しておくと安心です。

つなぎ融資不要の住宅ローン(分割実行型)との比較

一部の金融機関では、住宅ローンの融資を建物の完成前に分割して実行する「分割実行型」の商品を用意しています。土地購入時、着工時、上棟時にそれぞれ住宅ローンを実行するため、つなぎ融資を利用する必要がなくなります。

つなぎ融資型と分割実行型の比較

項目つなぎ融資型分割実行型
金利年2〜3.5%(つなぎ融資金利)住宅ローンの金利(年0.3〜1.8%)
利息負担大きい(住宅ローンより高金利)小さい(住宅ローン金利で借入)
手数料つなぎ融資の事務手数料が別途発生住宅ローンの事務手数料に含まれる場合あり
抵当権設定住宅ローン実行時に1回分割実行ごとに設定が必要(費用増の場合あり)
取り扱い金融機関多い限定的(地方銀行に多い)
審査つなぎ融資と住宅ローンで別審査住宅ローンの審査1回で完結

分割実行型は利息負担を大幅に軽減できるのが最大のメリットです。先ほどの試算(つなぎ融資の利息約49万円)を分割実行型で計算すると、住宅ローン金利が年1.5%の場合、同じ借入額・期間で約29万円程度に抑えられます。

ただし分割実行型は取り扱い金融機関が限られるため、住宅ローンの選択肢が狭まります。ネット銀行の多くは分割実行に対応しておらず、都市銀行でも対応していない場合があります。地方銀行では比較的多くの銀行が対応していますが、地域によって取り扱いの有無が分かれます。

住宅ローンの金利タイプ選びも含めて、つなぎ融資の負担と金利条件のバランスを検討する必要があります。住宅ローンは変動と固定どっちが得?も参考に、総返済額の視点で住宅ローンを選んでください。

利息負担を減らす5つの方法

つなぎ融資の利息負担は、借入額と借入期間の2つで決まります。どちらかを小さくすることが、利息を減らす基本的な考え方です。

1. 自己資金を多く入れてつなぎ融資の借入額を減らす

土地の購入代金や着工金の一部を自己資金で支払えば、つなぎ融資の借入額が減り、利息もその分小さくなります。ただし手元資金を使いすぎると引っ越し費用や家具家電の購入費用が不足するリスクがあるため、生活防衛資金とのバランスを考慮して判断してください。

2. 工期を短縮して借入期間を減らす

建物の工期が短いほど、つなぎ融資の借入期間は短くなります。ハウスメーカーと工務店では一般的にハウスメーカーのほうが工期が短い(4〜5か月程度)ため、工期を重視する場合は施工会社選びの段階で確認しておくとよいでしょう。ただし工期を優先して施工会社を選ぶのは本末転倒です。あくまで複数社を比較するときの判断材料の1つとして工期も確認するという位置づけです。

3. 分割実行型の住宅ローンを選ぶ

前のセクションで解説したとおり、分割実行型であればつなぎ融資自体が不要になり、住宅ローンの低い金利で建築中の資金を確保できます。取り扱い金融機関は限られますが、利息の差額が大きいため、候補に含めて検討する価値があります。

4. つなぎ融資の金利が低い金融機関を選ぶ

つなぎ融資の金利は金融機関によって1%以上の差があります。住宅ローン本体の金利が低くても、つなぎ融資の金利が高ければ建築期間中の負担が増えます。住宅ローンとつなぎ融資の合計コストで比較してください。

5. 土地決済と着工のタイミングを近づける

土地を先に購入してから建築計画を立てると、土地代のつなぎ融資期間が長くなります。土地の購入と建築プランを並行して進め、土地決済から着工までの期間を短縮できれば、つなぎ融資の利息を抑えられます。

つなぎ融資を利用するときの注意点

つなぎ融資は住宅ローン本体と比べて仕組みがシンプルですが、いくつか見落としやすいポイントがあります。

住宅ローンの本審査が否認された場合、つなぎ融資の返済が問題になります。つなぎ融資は住宅ローンの実行資金で一括返済する前提の融資です。住宅ローンが通らなければ、つなぎ融資の返済原資がなくなります。つなぎ融資を申し込む前に、住宅ローンの事前審査(仮審査)を通過しておくことが前提条件です。

工期が大幅に延びた場合、つなぎ融資の融資期間の上限に達することがあります。多くの金融機関でつなぎ融資の融資期間は1年以内、長くても2年以内に設定されています。工事の遅延が長期化すると融資期間の延長手続きが必要になり、追加の手数料が発生する場合もあります。

確定申告で住宅ローン控除を申請するとき、つなぎ融資の利息は控除の対象外です。住宅ローン控除はあくまで住宅ローン本体の年末残高に対して適用されるため、つなぎ融資の利息は住宅取得にかかった諸費用として認識しておいてください。

つなぎ融資の利息はどのように計算しますか?

つなぎ融資の利息は「借入額 x 年利 x 借入日数 / 365」で日割り計算されます。たとえば1,500万円を年利2.5%で6か月間(183日)借りた場合、利息は1,500万円 x 2.5% x 183 / 365 = 約18.8万円です。土地代・着工金・中間金をそれぞれ別のタイミングで借りるため、各区分ごとに利息を計算して合計します。

つなぎ融資を使わずに注文住宅を建てる方法はありますか?

分割実行型の住宅ローンを利用すれば、つなぎ融資なしで建築中の資金を確保できます。住宅ローンの金利(年0.3〜1.8%程度)で借り入れられるため、つなぎ融資(年2〜3.5%)より利息負担が軽くなります。ただし取り扱い金融機関が限られるため、住宅ローンの選択肢は狭まります。自己資金が十分にある場合は、土地代や着工金を自己資金で支払い、住宅ローンは建物の引き渡し時のみ実行する方法もあります。

つなぎ融資の金利は住宅ローン控除の対象になりますか?

つなぎ融資の利息は住宅ローン控除の対象外です。住宅ローン控除は「住宅の取得等に係る借入金」の年末残高に対して適用される制度であり、つなぎ融資は住宅ローン本体とは別の融資として扱われます。つなぎ融資の利息は住宅取得にかかる諸費用として認識し、資金計画に組み込んでおいてください。

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