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土地探し

市街化区域と市街化調整区域の違い|家を建てられる土地・建てられない土地の判断基準

注文住宅の土地を探していると、同じ市内なのに坪単価が半分以下の土地が見つかることがあります。価格差の原因として多いのが、市街化区域と市街化調整区域の違いです。都市計画法に基づくこの区域区分を理解しないまま安い土地に飛びつくと、建築確認が下りずに家が建てられない事態が起こり得ます。

この記事では、市街化区域と市街化調整区域の制度的な違いを整理したうえで、調整区域で住宅を建てるための条件、土地購入前に確認すべき手順を解説します。土地の価格差の背景は地価公示データでエリアごとに確認できます。

市街化区域と市街化調整区域の制度上の違い

都市計画法は、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分しています。この区分は通称「線引き」と呼ばれ、無秩序な市街地の拡大を防ぐ目的で昭和43年の法改正により導入されました。

市街化区域は「すでに市街地を形成している区域」と「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」です。インフラ整備が進められ、住宅・商業・工業など用途地域が指定されています。建築確認さえ通れば原則として住宅の建築は可能です。

市街化調整区域は「市街化を抑制すべき区域」です。農地や山林の保全が目的で、原則として新たな建築物の建設は認められません。開発行為には都道府県知事の許可が必要となり、許可の基準は都市計画法第34条に列挙されています。

比較項目市街化区域市街化調整区域
区域の目的市街化を推進市街化を抑制
用途地域の指定あり(13種類)原則なし
住宅建築建築確認で原則OK開発許可が必要
上下水道・ガス整備済みが多い未整備の場合あり
固定資産税相対的に高い相対的に低い
地価水準高い低い(半額以下も)
農地転用届出で可能(4条・5条)許可制で難易度が高い

両者の境目にあたる場所や、線引きされていない「非線引き区域」もあるため、必ず対象地の都市計画情報を確認してください。

用途地域の有無が建築自由度に与える影響

市街化区域には13種類の用途地域が定められており、住居系(8種類)、商業系(2種類)、工業系(3種類)に分かれます。どの用途地域に指定されているかで、建てられる建物の種類、容積率、建ぺい率、高さ制限が決まります。

住宅の場合、工業専用地域を除く12種類の用途地域で建築可能です。ただし、第一種低層住居専用地域では店舗併用住宅の面積に制限があるなど、用途地域ごとに細かい条件が異なります。

市街化調整区域には原則として用途地域の指定がありません。そのため「何でも建てられる」と誤解されることがありますが、実態は逆です。開発許可なしには建築そのものが認められないため、建築自由度は市街化区域よりも大幅に低くなります。

土地を比較するときは、用途地域だけでなく、建ぺい率、容積率、斜線制限、セットバックの有無も合わせて確認する必要があります。希望するエリアの土地情報は住まい探しの検索ツールから条件を絞り込めます。

市街化調整区域で家を建てられる条件

調整区域であっても、都市計画法第34条に該当する場合は開発許可が下り、住宅を建築できます。個人住宅の建築で適用されやすい主な許可基準は以下の通りです。

既存宅地での建て替え

法律上の「既存宅地制度」は2001年に廃止されていますが、多くの自治体が経過措置や条例で同様の取り扱いを継続しています。線引き以前から宅地だった土地(登記簿で確認)で、従前の用途・規模と同程度の建て替えであれば許可が下りやすいのが一般的です。

ただし自治体ごとに運用基準が異なり、「同一の用途」の解釈も幅があります。建て替え前に必ず市区町村の都市計画課に事前相談してください。

農家住宅(法第29条第1項第2号)

市街化調整区域内の農地で農業を営む人が自らの居住用に建てる住宅は、開発許可が不要です。ただし「農業従事者本人」が「自己用住宅」として建てることが条件で、農業を営んでいない人がこの規定を利用することはできません。

農家住宅として建てた家を売却する場合、用途変更の手続きが必要になることがあります。市場価格が周辺より低くなる可能性があるため、将来の売却まで見通したうえで判断してください。

分家住宅(法第34条第12号相当)

市街化調整区域に長年居住している世帯の子や孫が、同じ区域内に住宅を建てる場合に認められる制度です。自治体の開発審査会の議を経て許可されます。

一般的な要件は、本家が線引き前から区域内に居住していること、分家する人が住宅を持っていないこと、親族の所有地に建てることなどですが、具体的な要件は自治体ごとに異なります。

指定集落内の自己用住宅

都市計画法第34条第11号に基づき、条例で定めた区域内での自己用住宅を許可する自治体もあります。一定の人口密度がある既存集落で、上下水道や道路が整備されている場合に適用されるケースが多く見られます。

農地転用の壁 — 調整区域の農地に家を建てる難しさ

市街化調整区域の土地が農地(地目が田または畑)である場合、建築の前に農地転用の許可が必要です。農地法第5条に基づく転用許可と、都市計画法の開発許可の両方を取得しなければなりません。

市街化区域内の農地は届出だけで転用できますが、調整区域の農地は農業委員会と都道府県知事の許可が必要で、農用地区域(いわゆる青地)に指定されている農地は原則として転用が認められません。

農地の区分市街化区域市街化調整区域
農用地区域内(青地)除外手続き+届出除外手続き+許可(極めて困難)
農用地区域外(白地)届出のみ許可が必要
第1種農地(優良農地)届出のみ原則不許可
第2種農地届出のみ代替地がなければ許可可能
第3種農地届出のみ原則許可

農地の区分が分からない場合は、市区町村の農業委員会で「農地の種別証明」を取得できます。この確認をしないまま売買契約を結ぶと、転用が不許可となり建築できない事態が生じます。

地価と税金の差 — 安い土地にはインフラコストが隠れている

市街化調整区域の土地が安い理由は、建築制限による需要の低さだけではありません。インフラ整備のコストを自己負担しなければならない場合があることも、価格差を生む大きな要因です。

市街化区域であれば公共下水道が整備済みの場所が大半で、接続費用は数十万円程度です。一方、調整区域では合併処理浄化槽の設置が必要になるケースが多く、設置費用は80万〜150万円程度かかります。浄化槽は定期的な汲み取りと保守点検も必要で、年間の維持費が3万〜5万円程度発生します。

都市ガスが来ていない地域ではプロパンガスを利用することになり、ガス料金が割高になります。水道の引き込みが遠い場合は、引き込み工事だけで100万円を超えることもあります。

固定資産税は調整区域のほうが低いものの、インフラの初期投資と維持費を合算すると、土地の安さほどのメリットが残らないケースもあります。エリアごとの不動産取引相場は取引相場データで確認できます。

土地購入前に確認すべき手順

市街化区域か調整区域かを確認する手順は、難しくありません。正確な情報は自治体の窓口で取得できます。

1つ目は、市区町村の都市計画課で都市計画図を閲覧することです。多くの自治体はウェブ上で都市計画情報を公開しています。「○○市 都市計画図」で検索すると、区域区分と用途地域がわかるマップを閲覧できることがほとんどです。

2つ目は、対象地の登記簿を法務局で取得し、地目を確認することです。地目が「田」「畑」であれば農地転用の手続きが発生します。

3つ目は、市区町村の建築指導課に事前相談することです。調整区域であっても建築が可能な条件に該当するかどうかは、自治体の窓口が最も正確に判断できます。不動産会社の説明だけで済ませず、自分でも行政に確認することが重要です。

4つ目は、インフラの現況を確認することです。上下水道の本管までの距離、都市ガスの供給区域、前面道路の幅員と管理者(公道か私道か)を調べます。接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)を満たしていない土地は、そもそも建築基準法上の建築が認められません。

非線引き区域という第三の選択肢

都市計画区域のなかには、市街化区域と調整区域の区分を行っていない「非線引き区域」もあります。地方都市や郊外に多く、建築の制限は市街化区域と調整区域の中間程度です。

非線引き区域では、開発許可が不要になる面積要件が緩和されている場合があり、小規模な住宅であれば比較的容易に建築できます。ただし用途地域が指定されていないエリアでは、周辺に倉庫や工場が建つ可能性もあるため、住環境の将来予測がしにくい面があります。

住宅の取得費用を比較検討する際は、土地代と建物代の内訳だけでなく、インフラ整備、開発許可取得にかかる期間と費用、将来の売却可能性まで含めて総合的に判断してください。住宅ローンシミュレーターで総費用の目安を試算できます。

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土地の区域区分や建築可否は、物件情報だけでは判断がつかないことがあります。住まい探しの一括依頼サービスで複数の不動産会社に条件を伝えると、法規制を踏まえた提案を受けられます。

よくある質問

市街化調整区域の土地は住宅ローンが組めますか

金融機関によって対応が分かれます。調整区域の土地は担保評価が低くなる傾向があり、メガバンクでは融資を断られるケースがあります。地方銀行や信用金庫、フラット35であれば対応可能な場合もあるため、複数の金融機関に相談してください。開発許可が下りていること、建物の建築確認が取得済みであることが融資審査の前提になります。

市街化調整区域の土地を買ってから区域が変わることはありますか

線引きの見直し(区域区分の変更)は、都市計画の定期見直し(おおむね5年ごと)のタイミングで行われることがあります。ただし調整区域から市街化区域への編入は、人口増加やインフラ整備の進捗など一定の条件を満たす必要があり、頻繁に起きるものではありません。区域変更を期待して土地を購入するのはリスクが高い判断です。

調整区域の中古住宅を購入して住むことはできますか

既存の建物が適法に建てられたものであれば、購入して居住すること自体は可能です。ただし増築や用途変更には改めて開発許可が必要になる場合があります。また、建て替えの可否は前述の既存宅地の扱いに準じるため、購入前に市区町村の都市計画課で建て替えの可能性を確認してください。

市街化区域と調整区域の境界付近の土地を検討しています。注意点はありますか

境界付近では、道路を挟んで片側が市街化区域、反対側が調整区域というケースがあります。同じ町名でも区域が異なることは珍しくありません。必ず地番単位で都市計画図を確認してください。市街化区域側であっても、調整区域に近いエリアはインフラの整備水準や周辺環境が区域の中心部と異なる場合があります。

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