執筆: 家づくりナビ編集部
編集・確認: 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ (最終確認: )
住宅ローン控除の確定申告|必要書類チェックリストとe-Tax手順
住宅ローン控除を受けるには、入居した翌年に確定申告が必要です。会社員でも初年度だけは確定申告をしないと控除が受けられず、忘れると最大数十万円の還付を取りそこなうこになります。
この記事では、初年度の確定申告で必要な書類を新築・中古・増改築の区分別に整理し、e-Taxでの入力手順、2年目以降の年末調整への切り替えまでを実務ベースでまとめています。
住宅ローン控除の確定申告が必要な人
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームを取得し、一定の要件を満たす場合に所得税の一部が還付される税額控除です。控除額はローン年末残高の0.7%で、最長13年間(中古は10年間)適用されます。控除の適用要件や借入限度額の詳細は住宅ローン控除 2026年の変更点でまとめています。
初年度は給与所得者(会社員)であっても確定申告が必須です。2年目以降は勤務先の年末調整で手続きが完了するため、面倒な確定申告は最初の1回だけで済みます。
確定申告の期間は、入居年の翌年2月16日から3月15日までが原則です。還付申告だけの場合は1月1日から提出できるため(住宅補助金2026年一覧で補助金との併用も確認しておくと効率的です)、早めに済ませたい人は年明け直後に動くとよいでしょう。
必要書類チェックリスト(全区分共通)
住宅の区分(新築・中古・増改築)にかかわらず、共通で必要になる書類を整理します。
| 書類 | 入手先 | 届く時期・入手方法 |
|---|---|---|
| 確定申告書(第一表・第二表) | 国税庁 確定申告書等作成コーナー or 税務署 | e-Taxなら画面上で作成。紙は税務署で配布 |
| (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 国税庁 確定申告書等作成コーナー or 税務署 | e-Taxなら入力画面に統合されている |
| 住宅ローンの年末残高等証明書 | 住宅ローンを借りた金融機関 | 毎年10〜11月に郵送。届かない場合は金融機関に再発行を依頼 |
| 建物・土地の登記事項証明書 | 法務局の窓口 or オンライン申請 | 1通480〜600円。オンライン申請なら法務局サイトから |
| 不動産売買契約書(または工事請負契約書)の写し | 自宅保管 | 契約時に受け取ったものをコピー |
| 本人確認書類 | — | マイナンバーカード、または通知カード+運転免許証等 |
源泉徴収票は2019年分以降の確定申告から添付不要になっていますが、入力時に給与収入額や源泉徴収税額の転記が必要なため、手元に用意しておいてください。
新築住宅の追加書類
新築住宅(注文住宅・建売住宅)の場合、住宅の性能区分によって追加書類が変わります。
| 住宅の性能区分 | 追加で必要な書類 | 借入限度額(2025年入居) |
|---|---|---|
| 認定長期優良住宅 | 認定長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し、住宅用家屋証明書 | 4,500万円(子育て世帯5,000万円) |
| 認定低炭素住宅 | 低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し、住宅用家屋証明書 | 4,500万円(子育て世帯5,000万円) |
| ZEH水準省エネ住宅 | 建設住宅性能評価書の写しまたは住宅省エネルギー性能証明書 | 3,500万円(子育て世帯4,500万円) |
| 省エネ基準適合住宅 | 建設住宅性能評価書の写しまたは住宅省エネルギー性能証明書 | 3,000万円(子育て世帯4,000万円) |
| その他の住宅 | 追加書類なし | 0円(2024年以降の新築は控除対象外) |
2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅のうち、省エネ基準に適合しない「その他の住宅」は住宅ローン控除の対象外です。ハウスメーカーや工務店から性能証明書を受け取っているか確認してください。ZEH水準の補助金制度についてはZEH補助金2026も参照してください。
中古住宅の追加書類
中古住宅(既存住宅)を取得した場合の追加書類です。
| 要件 | 追加で必要な書類 |
|---|---|
| 1982年(昭和57年)1月1日以後に建築 | 登記事項証明書で築年数を確認(追加書類なし) |
| 1981年以前の建築で耐震基準適合 | 耐震基準適合証明書、または既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書 |
| 買取再販住宅 | 増改築等工事証明書(リフォーム内容の証明) |
中古住宅の借入限度額は、認定住宅で3,000万円、ZEH水準で3,000万円、省エネ基準適合で2,000万円、その他で2,000万円です。控除期間は10年間(新築の13年間より短い)。
中古マンションで築年数が古い場合は、売主または仲介業者に耐震基準適合証明書を発行してもらえるか事前に確認してください。発行されない場合は、住宅ローン控除の対象外になります。
増改築(リフォーム)の追加書類
既存住宅を増改築・リフォームした場合の追加書類です。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 増改築等工事証明書 | 建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関が発行。リフォーム業者経由で取得 |
| 工事請負契約書の写し | リフォーム費用と工事内容の確認用 |
リフォームで控除を受けるには、工事費用が100万円超であること、居住部分の工事費が総額の1/2以上であることなどの要件があります。増改築等工事証明書の取得に1〜2週間かかることがあるため、早めにリフォーム業者に依頼してください。
e-Taxでの確定申告手順(ステップバイステップ)
e-Tax(電子申告)を使うと、税務署に行かずに自宅から確定申告を完了できます。マイナンバーカードとICカードリーダー(またはスマートフォン)があれば利用可能です。
ステップ1: 事前準備
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、マイナポータル連携を設定します。連携すると、住宅ローンの年末残高証明書や源泉徴収票のデータが自動で読み込まれるケースがあります。
ステップ2: 申告書の作成開始
「新規作成」→「所得税」を選択。給与所得者は「給与所得のみ(年末調整済み)」を選びます。源泉徴収票の内容を入力し、「税額控除」の画面で「住宅借入金等特別控除」を選択します。
ステップ3: 住宅ローン控除の入力
画面の案内に従い、以下を入力します。
- 住宅の取得年月日、居住開始年月日
- 取得対価(建物・土地)
- 住宅ローンの年末残高
- 住宅の性能区分(認定住宅 / ZEH / 省エネ基準適合 / その他)
- 共有持分がある場合は持分割合
入力が完了すると、控除額が自動計算されます。
ステップ4: 添付書類の送付
e-Taxで申告書を送信した後、登記事項証明書や売買契約書の写しなど、電子データ化できない書類は郵送で税務署に提出します。送信後に表示される「申告書等送信表(兼送付書)」に必要な添付書類が一覧で表示されるため、漏れなく確認できます。
送付先は納税地の所轄税務署です。「申告書等送信表」を1枚目にし、添付書類をまとめて封筒に入れて郵送します。
ステップ5: 還付金の受け取り
e-Taxで申告した場合、還付金は申告から約3週間で指定口座に振り込まれます。紙で提出した場合は1〜2ヶ月かかることがあります。
2年目以降は年末調整で完了する
初年度の確定申告が完了すると、税務署から「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」が届きます。この用紙は控除期間分(13年分または10年分)がまとめて届くため、紛失しないよう保管してください。
2年目以降に勤務先の年末調整で提出する書類は2点だけです。
| 書類 | 入手元 |
|---|---|
| 住宅借入金等特別控除申告書 | 初年度の確定申告後に税務署から届く(控除期間分をまとめて送付) |
| 住宅ローンの年末残高等証明書 | 金融機関から毎年10〜11月に届く |
これを勤務先の年末調整時に提出すれば、12月または1月の給与で還付されます。税務署に行く必要はありません。
個人事業主(フリーランス・自営業)は年末調整がないため、2年目以降も毎年確定申告で控除を受けます。
よくある失敗と回避策
住宅ローン控除の確定申告で頻出する失敗パターンを整理します。
年末残高証明書が届かない・紛失した
金融機関からの郵送時期は10〜11月ですが、届かない場合や紛失した場合は金融機関に再発行を依頼してください。再発行には1〜2週間かかります。確定申告の期限直前に気づくと間に合わない可能性があるため、12月中に手元にあるか確認しておきましょう。
登記事項証明書の取得を忘れている
法務局で取得する登記事項証明書は、自分で取りに行く必要があります。オンライン申請(登記・供託オンライン申請システム)を使えば法務局に行かずに請求でき、手数料も窓口より安くなります(オンライン請求で郵送受取480円、窓口受取480円、窓口請求600円)。
共有名義・ペアローンの申告漏れ
夫婦でペアローンを組んでいる場合、それぞれが確定申告をする必要があります。片方だけ申告して、もう片方が忘れているケースが意外と多いです。連帯債務の場合は、負担割合に応じた年末残高を申告します。
確定申告そのものを忘れていた
確定申告の期限(3月15日)を過ぎても、還付申告であれば5年間はさかのぼって申告できます。入居年の翌年1月1日から5年以内に申告すれば、過去分の還付を受けられます。ただし、遡及申告は初年度分のみ。2年目以降の年末調整への切り替えは、初年度の確定申告完了が前提です。
よくある質問
住宅ローン控除の確定申告はいつからいつまでですか。
入居年の翌年2月16日から3月15日が原則です。還付申告のみの場合は翌年1月1日から提出できます。e-Taxなら24時間受付のため、期間中であればいつでも送信可能です。
年末調整で住宅ローン控除を受けている場合も確定申告は必要ですか。
2年目以降は年末調整で控除を受けている場合、確定申告は不要です。ただし医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例の期限切れ)など、他の理由で確定申告する場合は住宅ローン控除も確定申告側で申告し直す必要があります。
ペアローンの場合、夫婦それぞれ確定申告が必要ですか。
はい、ペアローンは夫婦それぞれが別の住宅ローン契約を結んでいるため、それぞれが確定申告をします。共有持分と年末残高を各自の申告書に記入してください。連帯債務の場合も同様に、負担割合に応じた残高で申告します。
確定申告を忘れていた場合、住宅ローン控除は受けられませんか。
還付申告は5年間さかのぼれるため、期限を過ぎていても申告可能です。入居年の翌年1月1日から5年以内に申告してください。ただし、初年度の確定申告をしない限り2年目以降の年末調整での控除もできないため、気づいた時点で早めに手続きしてください。