執筆: 家づくりナビ編集部
編集・確認: 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ (最終確認: )
土地が見つからないときの探し方7選|ネットに出ない未公開土地の入手法
注文住宅を建てたいのに、希望エリアで条件に合う土地が見つかりません。SUUMOやHOME’Sを毎日チェックしても新着は建売用地か建築条件付きばかり。土地探しを始めて3ヶ月以上経つと、焦りから妥協するか、そもそも注文住宅を諦めるかの二択に追い込まれがちです。
実は、不動産ポータルサイトに掲載されている土地は市場に出回っている物件の一部にすぎません。売主が広告を出す前に買い手が付く「未公開土地」や、ポータルに掲載しない小規模不動産会社の取り扱い物件は、通常の検索では見つけられない流通経路に存在しています。
この記事では、ネットで見つからない土地を掘り起こすための7つの方法を紹介します。
1. ハウスメーカー・工務店経由で探す
住宅会社は、自社で家を建ててくれる顧客のために土地情報を独自に収集しています。ハウスメーカーの営業担当が地元の不動産会社と直接つながっていることは珍しくなく、ポータルサイトへの掲載前に情報が回ってくるルートが存在します。
住宅会社に「土地から探している」と伝えると、建築を前提とした土地提案を受けられる場合があります。建物の予算と土地の予算をセットで相談することで、建築費とのバランスを踏まえた土地選びができるのも利点です。
注意点は、住宅会社経由で紹介された土地は、その会社で建てることが暗黙の前提になりがちなことです。複数のハウスメーカーに同時並行で土地探しを依頼しておくと、選択肢の偏りを防げます。工務店の探し方は工務店ガイドでも紹介しています。
2. 地元の不動産会社を直接訪問する
大手ポータルサイトに広告費を払って掲載している不動産会社は、実は全体の一部です。地元密着型の小規模不動産会社は、広告費をかけずに店頭や既存顧客への紹介で物件を回している場合があります。
希望エリアの最寄り駅周辺にある不動産会社を3〜5軒回り、「この地域で○坪くらいの住宅用地を探している」と直接伝えてください。条件を登録しておけば、新しい物件が出たときに連絡をもらえるようになります。
直接訪問のもう一つの利点は、その地域の相場観や地盤の特性、過去の浸水履歴など、ネットでは得られない情報が聞けることです。
3. 土地探しの一括依頼サービスを使う
1社ずつ回る時間がない場合は、希望条件を入力すると複数の不動産会社や住宅会社から土地提案を受けられる一括依頼サービスがあります。登録した条件は提携先に同時に伝わるため、自分の足で回るよりも短期間で多くの候補を集められます。
一括依頼サービスの効果が高いのは、「エリアを広げてもよいが、ピンポイントで良い土地があれば検討したい」というスタンスの場合です。条件を柔軟に設定しておくと、自分では想定していなかった地域から提案が来ることもあります。
4. 建築条件付き土地の「条件外し」を交渉する
建築条件付き土地は、売主が指定するハウスメーカーで建てることを前提に販売されています。しかし、売れ残っている物件や、売主が早期に現金化したい事情がある場合、条件の解除に応じてもらえる場合があります。
条件外しが成立すると、通常の更地として購入でき、好きな住宅会社で家を建てられます。交渉が成立するケースの多くは、追加費用(100万〜300万円程度の上乗せ)を支払う条件で合意するパターンです。
すべての建築条件付き土地で条件外しが可能なわけではありません。人気の高い区画や販売開始直後の物件は断られる可能性が高いため、販売から一定期間が経過した物件を狙うのが現実的です。建築条件付き土地の仕組みは注文住宅の土地探しガイドでも解説しています。
5. 空き家・空き地の所有者に直接アプローチする
希望エリアを実際に歩いて、管理されていない空き家や空き地を見つけたら、その所有者に購入の意思を伝える方法があります。
所有者の調べ方は、法務局で登記簿謄本を取得する方法が基本です。住所地番がわかれば、登記情報提供サービスでオンラインでも確認できます。所有者が判明したら、手紙(購入の意向を丁寧に伝える内容)を送付するのが一般的な方法です。
この方法で実際に取引が成立するケースは多くはありませんが、売却の意思はあるのに不動産会社に依頼するきっかけがなかった所有者に出会えれば、相場より安く取得できる可能性があります。
空き家の活用状況を調べる場合は、自治体の空き家バンクも情報源になります。空き家バンクは自治体が運営する不動産情報サイトで、無料で閲覧できます。空き家を解体して更地にすれば住宅用地として使えますが、解体費用と地盤の確認が必要です。空き家の活用全般は空き家ガイドで詳しく扱っています。
6. 区画整理事業地・都市計画道路の予定地周辺を調べる
土地区画整理事業が進行中のエリアでは、新しい区画が一定のタイミングで売りに出されます。区画整理組合や市区町村のウェブサイトで事業の進捗状況を確認すると、今後販売される区画の情報を先に把握できます。
また、都市計画道路の整備が予定されている地域は、道路計画にかかっていない土地の需要が将来的に高まる可能性があります。この情報は市区町村の都市計画図で確認できます。
注意すべきは、区画整理事業には長い年月がかかることです。事業が遅延して引き渡し時期がずれるリスクもあるため、スケジュールの確認を怠らないでください。
7. 土地の条件を見直す
6つの方法を試しても見つからない場合は、探し方ではなく条件の見直しが必要かもしれません。土地探しが長期化する原因の多くは、立地・面積・価格の3条件をすべて満たす土地がそもそも存在しない(または極めて少ない)ことにあります。
見直しやすい条件は以下の3つです。
エリアの拡大。最寄駅を1〜2駅ずらす、あるいは隣の市区町村まで範囲を広げるだけで候補が増えることがあります。通勤時間が10分長くなるだけで坪単価が2〜3割下がるエリアも存在します。
面積の縮小。建物の配置を工夫すれば、当初想定より狭い土地でも希望の間取りが実現できることがあります。3階建てや半地下を活用した設計は、設計事務所に相談すると具体的なプランが得られます。住宅の設計相談は建築家ガイドから探せます。
旗竿地や不整形地の検討。道路に面している部分が狭い旗竿地(敷地延長)は、整形地よりも2〜4割安く取引されます。日当たりや駐車スペースの確保など注意点はありますが、プランニング次第で快適な住宅が建てられるケースがあります。
土地探しのスケジュール感
土地探しにかかる期間は、エリアや条件によって大きく異なります。都市部の人気エリアでは半年以上かかることも珍しくなく、郊外や地方であれば比較的早く見つかる傾向があります。
建築のスケジュールから逆算すると、土地の取得から住宅の引き渡しまでに12〜18ヶ月程度を見ておく必要があります。土地探しに6ヶ月、設計に3〜4ヶ月、施工に4〜6ヶ月が標準的な目安です。住宅ローンの事前審査は土地探しと並行して進めておくと、気に入った土地が見つかったときに素早く購入の意思表示ができます。
費用面では、土地代と建物代の配分を先に決めておくことが重要です。総予算に対して土地の割合が高くなりすぎると、建物の仕様を下げざるを得なくなります。住宅ローンシミュレーターで総額の目安を確認しながら、土地と建物のバランスを調整してください。
よくある質問
未公開土地とは何ですか。なぜポータルサイトに出ないのですか
未公開土地とは、不動産ポータルサイトやチラシなどの広告媒体に掲載されていない売り出し中の土地を指します。売主が近隣に売却を知られたくない場合や、不動産会社が自社顧客への紹介を優先している場合、広告費をかけずに既存の取引ネットワークで売買を完結させる場合などに未公開のまま流通します。不動産会社のレインズ(業者間データベース)には登録されていても、一般向けの広告には出てこないケースが典型的です。
土地探しをハウスメーカーに任せると、そのメーカーで建てないといけませんか
法的な義務はありません。ハウスメーカー経由で土地情報をもらったとしても、その会社と建築請負契約を結ぶ義務は発生しません。ただし、ハウスメーカーは自社で建築してもらうことを期待して土地を紹介しているため、他社で建てることが判明すると紹介が打ち切られる可能性があります。複数社に並行して相談していることを正直に伝えておくと、後のトラブルを避けやすくなります。
建築条件付き土地の条件を外すにはいくらかかりますか
ケースバイケースですが、上乗せ費用を求められることが多いです。この金額は、売主が建物の利益として見込んでいた分の一部を土地代に転嫁する形です。条件外しに応じるかどうかは売主の判断で、人気区画や販売初期の物件では断られる可能性が高くなります。販売から数ヶ月が経過して売れ残っている物件のほうが交渉の余地があります。