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住宅取得補助金

地域型住宅グリーン化事業とZEH補助金の違い|併用可否と申請のポイント

新築住宅の省エネ補助金を調べていると、「地域型住宅グリーン化事業」と「ZEH補助金」の2つが候補に挙がるケースが少なくありません。どちらも国の補助金で、省エネ性能の高い住宅を新築する施主が対象ですが、所管省庁、申請ルート、補助額の算出方法が異なります。制度の違いを整理しないまま住宅会社と話を進めると、本来使えたはずの補助金を見逃したり、申請スケジュールが合わなくなったりするリスクがあります。

この記事では、地域型住宅グリーン化事業とZEH補助金の違いを補助額・対象住宅・申請ルートの3軸で比較し、併用の可否と、どちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。住宅補助金制度の全体像は住宅補助金ガイドでまとめています。

地域型住宅グリーン化事業の仕組み

地域型住宅グリーン化事業は国土交通省が所管する補助制度で、地域の中小工務店が建てる木造住宅の省エネ化と長寿命化を促進することを目的としています。2015年度に開始され、毎年度の予算措置によって継続運用されています。

この制度が他の住宅補助金と大きく異なるのは、「登録グループ」を通じて申請する点です。個別の工務店が単独で申請するのではなく、原木供給・製材・建材流通・設計・施工などの事業者で構成されたグループが国交省に採択申請を行い、採択されたグループの構成員である工務店が建てる住宅に対して補助金が交付されます。

登録グループ制度の構造

グループは「グループ代表者」が取りまとめ役となり、地域材の供給体制や共通ルール(施工マニュアル、維持管理計画など)を整備して申請します。グループの構成員は原則として年間供給戸数50戸未満の中小住宅生産者が対象です。大手ハウスメーカーは構成員になれないため、この制度は事実上「地域工務店が建てる木造住宅のための補助金」という性格を持っています。

採択されたグループには補助枠(戸数)が配分され、その枠内で個別の住宅に対して補助金が交付されます。グループの枠を超える申請はできないため、人気のあるグループでは年度の早い段階で枠が埋まることがあります。

補助対象と補助額

地域型住宅グリーン化事業の補助対象は、長寿命型(長期優良住宅)、ゼロ・エネルギー住宅型(ZEH水準)、高度省エネ型(認定低炭素住宅)の3タイプに分かれます。

タイプ認定区分補助額上限加算措置
長寿命型長期優良住宅140万円地域材加算 最大40万円、三世代同居加算 最大30万円
ゼロ・エネルギー住宅型ZEH水準150万円地域材加算 最大40万円、三世代同居加算 最大30万円
高度省エネ型認定低炭素住宅90万円地域材加算 最大40万円、三世代同居加算 最大30万円

地域材加算は、構造材の過半に地域材(グループが共通ルールで定めた地元産木材)を使用した場合に適用されます。三世代同居加算は、キッチン・浴室・トイレ・玄関のうち2つ以上を複数箇所設置した住宅が対象です。

加算措置をフルに使えば、ゼロ・エネルギー住宅型で最大220万円(150万円+地域材40万円+三世代30万円)の補助が受けられる計算です。

ZEH補助金の仕組み

ZEH補助金は経済産業省と環境省が所管し、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)が執行する補助制度です。年間の一次エネルギー消費量を太陽光発電等の再エネで正味ゼロ以下にする住宅(ZEH)を新築する施主に対して補助金を交付します。ZEH補助金の制度詳細はZEH補助金の最新情報で解説しています。

ZEH補助金の申請には、ZEHビルダーまたはZEHプランナーとして登録された住宅会社を通す必要があります。登録事業者には大手ハウスメーカーから中小工務店まで含まれており、地域型住宅グリーン化事業のような企業規模の制限はありません。

ZEH補助金の補助額

区分補助額主な追加要件
ZEH55万円外皮基準+再エネで一次エネ正味ゼロ
ZEH+100万円外皮強化・HEMS・EV充電のうち2つ以上
次世代ZEH+100万円+設備加算V2H・蓄電池・燃料電池等の追加設備

ZEH補助金は年度内に複数回の公募期間が設けられ、予算枠に達した段階で受付が終了します。交付決定前に着工すると対象外になるため、設計確定から申請・交付決定・着工という流れのスケジュール管理が重要です。

2制度の比較表

地域型住宅グリーン化事業とZEH補助金の違いを一覧で整理します。

比較項目地域型住宅グリーン化事業ZEH補助金
所管国土交通省経済産業省・環境省(SII執行)
対象住宅会社登録グループ構成員(年間50戸未満の中小工務店)ZEHビルダー/プランナー登録事業者(大手含む)
構造木造のみ構造問わず
補助額(ZEH水準)最大150万円(加算込み最大220万円)ZEH 55万円、ZEH+ 100万円
地域材加算あり(最大40万円)なし
三世代同居加算あり(最大30万円)なし
申請ルートグループ代表者経由ZEHビルダー/プランナー経由
着工タイミンググループの採択後に着手交付決定後に着工
公募方式年度当初にグループ採択、枠内で個別配分年度内に複数回公募

補助額だけで見ると、加算措置を含めた地域型住宅グリーン化事業のほうが大きくなる場合があります。一方、ZEH補助金はZEHビルダー登録さえしていれば大手ハウスメーカーでも利用でき、木造以外の構造にも対応している点で選択肢が広がります。

併用の可否

地域型住宅グリーン化事業とZEH補助金は、同一住宅に対して併用できません。どちらも国の補助金であり、同一の補助対象経費に対して二重に交付を受けることは補助金適正化法の原則で禁じられています。

ただし、以下の組み合わせは制度上認められる場合があります。

国の補助金と自治体補助金の併用。地域型住宅グリーン化事業またはZEH補助金を利用しながら、都道府県や市区町村が独自に実施する省エネ住宅補助金を重ねて受けられるケースがあります。自治体補助金の交付要件に「国の補助金との併用可」と明記されているかどうかを確認してください。

国の補助金と税制優遇の併用。住宅ローン控除、固定資産税の減額措置、登録免許税の軽減などの税制優遇は、補助金とは別枠の制度です。補助金を受けた住宅でもこれらの税制優遇は利用できます。ただし住宅ローン控除の計算では、補助金額を取得対価から差し引く必要がある点に注意してください。住宅ローン控除の計算方法は住宅ローン控除の最新ルールで解説しています。

住宅補助金同士の併用可否については住宅補助金一覧で制度横断的に整理しています。

どちらを選ぶべきかの判断基準

2つの補助金は「どちらが得か」という単純比較ではなく、住宅会社の選定と建物の仕様が先に決まることで自動的に使える制度が絞られます。以下の判断フローで整理してください。

地域型住宅グリーン化事業が向いているケース

地元の工務店で木造住宅を建てたいと考えている場合は、地域型住宅グリーン化事業が有力な選択肢です。依頼予定の工務店が登録グループの構成員かどうかを確認してください。登録グループの情報は国交省の補助事業ウェブサイトで検索できます。

地域材(県産材・国産材)を積極的に使いたい場合は、地域材加算(最大40万円)が上乗せされるため、ZEH補助金よりも総額で有利になることがあります。また、二世帯住宅や三世代同居型の間取りを計画している場合は、三世代同居加算(最大30万円)も加わります。

ZEH補助金が向いているケース

大手ハウスメーカーや鉄骨系ビルダーで建てる場合は、地域型住宅グリーン化事業の対象外(年間50戸以上の事業者)になるため、ZEH補助金が選択肢です。ZEH+の要件(外皮強化・HEMS・EV充電設備のうち2つ以上)を満たせば100万円の補助が受けられます。

太陽光発電やHEMS、EV充電設備の導入を前提とした高性能住宅を計画している場合も、ZEH+や次世代ZEH+の加算措置が活きるためZEH補助金が適しています。

判断に迷うケース

中小工務店かつZEHビルダー登録済みの会社に依頼する場合は、理論上どちらの制度も利用できます。この場合は、工務店が登録グループに入っているかどうか、グループの補助枠に空きがあるか、ZEH補助金の公募スケジュールと着工時期が合うかを具体的に確認して判断してください。工務店側が「自社が使いやすい方」を推薦してくるケースが多いため、施主として両方のシミュレーションを求めるのが合理的です。

申請スケジュールの違いと注意点

2つの制度は申請の流れが異なるため、住宅会社との契約前にスケジュールを確認する必要があります。

地域型住宅グリーン化事業は年度当初(例年4〜5月頃)にグループの採択公募が行われ、採択されたグループに補助枠が配分されます。施主の申請は個別に行いますが、グループの枠が埋まった時点で新規受付は終了します。年度後半に家づくりを始める場合、グループ枠が残っているかどうかを早めに確認してください。

ZEH補助金は年度内に4〜6回の公募期間が設定されます。前半の公募ほど予算に余裕があり、後半は残枠が少なくなって不採択リスクが高まります。交付決定前の着工が認められない点は前述の通りで、スケジュールの逆算が欠かせません。

どちらの制度でも共通して重要なのは、補助金の申請方針を住宅会社と早い段階で共有しておくことです。設計が固まってから補助金を検討し始めると、申請時期に間に合わなかったり、仕様変更が必要になったりするリスクがあります。補助金の申請手続きの全体像は住宅補助金の申請方法で解説しています。

省エネ住宅補助金の選び方を整理する

地域型住宅グリーン化事業とZEH補助金のほかにも、省エネ住宅に関連する補助金制度は複数存在します。GX志向型住宅補助金(旧子育てグリーン住宅支援事業の一部)、LCCM住宅整備推進事業など、性能ランクと所管省庁が異なる制度が並立しています。省エネ住宅補助金の横断比較は省エネ住宅の補助金を比較で整理しています。

補助金の選定は住宅会社の選定とセットで進める必要があります。依頼する住宅会社がどの制度に対応しているか、過去の申請実績はどの程度あるかを確認し、補助額とスケジュールの制約を比較したうえで判断してください。

地域型住宅グリーン化事業とZEH補助金のどちらが使えるかは、住宅会社の登録状況で決まります。住宅会社の無料一括資料請求で複数社の対応状況を比較し、補助金の申請実績と合わせて検討してください。

よくある質問

地域型住宅グリーン化事業とZEH補助金を同じ住宅で両方もらうことはできますか

できません。どちらも国の補助金であり、同一住宅に対して二重交付は認められていません。一方を選択して申請する形になります。ただし、国の補助金と自治体独自の補助金は併用できる場合があるため、自治体の窓口や住宅会社に確認してください。

大手ハウスメーカーで建てる場合、地域型住宅グリーン化事業は使えないのですか

地域型住宅グリーン化事業の登録グループの構成員は、原則として年間供給戸数50戸未満の中小住宅生産者が対象です。大手ハウスメーカーは構成員になれないため、この制度は利用できません。大手ハウスメーカーで省エネ住宅補助金を使う場合は、ZEH補助金やGX志向型住宅補助金が選択肢になります。

登録グループに入っている工務店かどうか、どうやって確認できますか

国土交通省の地域型住宅グリーン化事業のウェブサイトで、採択グループの一覧と構成員リストが公開されています。工務店に直接「グリーン化事業の登録グループに入っていますか」と聞くのが最も確実です。グループに入っていても、その年度の補助枠が残っているかどうかは別の問題なので、枠の空き状況も合わせて確認してください。

地域型住宅グリーン化事業の地域材加算はどのような条件で受けられますか

グループが共通ルールで定めた地域材(県産材や国産材など)を、構造材または内装材の過半に使用した場合に最大40万円が加算されます。「過半」の判定基準はグループごとの共通ルールで規定されているため、利用する工務店に具体的な条件を確認してください。地域材の調達ルートがグループ内で確立されていることが前提の制度です。

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