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土地活用

相続した土地を売却したときの税金はいくら?計算方法・特例・確定申告の流れを解説

相続した土地の売却でかかる税金の全体像

親や祖父母から相続した土地を売却すると、複数の税金が発生します。相続した土地の売却にかかる税金を正確に把握しておかないと、手元に残る金額が想定よりも大幅に少なくなるケースがあります。

売却時に関係する税金は主に5種類です。

税金の種類課税のタイミング目安の金額
登録免許税相続登記(名義変更)時固定資産税評価額 × 0.4%
印紙税売買契約書の作成時1〜6万円(売却額による)
譲渡所得税(所得税)売却で利益が出た場合譲渡所得 × 15%(長期)
住民税売却で利益が出た場合譲渡所得 × 5%(長期)
復興特別所得税売却で利益が出た場合所得税額 × 2.1%

このうち金額が大きくなるのは譲渡所得税・住民税・復興特別所得税の3つ。売却益(譲渡所得)に対して課税されるため、売却額が高いほど税額も大きくなります。逆に言えば、売却しても利益が出なければ、この3つは課税されません。

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得の基本式

譲渡所得は以下の式で計算します。

譲渡所得 = 売却価額 −(取得費 + 譲渡費用)

取得費とは、その土地を購入したときの代金や仲介手数料のことです。譲渡費用は、売却時にかかった仲介手数料・測量費・印紙税などを指します。

相続した土地は「親の取得費」と「親の所有期間」を引き継ぐ

相続で取得した土地には、2つの特殊なルールがあります。

1つ目は取得費の引き継ぎ。相続した土地の取得費は、被相続人(亡くなった方)がその土地を購入したときの代金がそのまま使えます。相続時の時価ではありません。

2つ目は所有期間の引き継ぎ。相続直後に売却しても、被相続人の所有期間が5年超であれば長期譲渡所得の税率(20.315%)が適用されます。短期譲渡所得(39.63%)と比べると約2倍の差があるため、この引き継ぎルールは相続人にとって有利に働きます。

取得費がわからない場合

先祖代々の土地や古い物件では、購入時の契約書が残っていないことがあります。この場合、売却価額の5%を取得費として計算できます。ただし、5%ルールを使うと取得費が非常に小さくなり、譲渡所得が膨らむ点に注意してください。

たとえば3,000万円で売却した土地の取得費がわからない場合、取得費は150万円(3,000万円 × 5%)。仲介手数料などの譲渡費用を100万円とすると、譲渡所得は2,750万円にもなります。

長期と短期の税率比較

区分所有期間所得税住民税復興特別所得税合計税率
長期譲渡所得5年超15%5%0.315%20.315%
短期譲渡所得5年以下30%9%0.63%39.63%

繰り返しになりますが、相続の場合は被相続人の所有期間を引き継ぎます。親が30年前に購入した土地を相続後すぐに売却しても、長期譲渡所得の税率が適用されます。

売却額別の税金シミュレーション

具体的に「いくら税金がかかるのか」を、2つのパターンで計算してみましょう。

パターン1: 取得費が判明している場合

条件: 売却価額 3,000万円、取得費 1,200万円(購入時の契約書あり)、譲渡費用 120万円(仲介手数料等)、所有期間5年超(長期)

項目金額
売却価額3,000万円
取得費1,200万円
譲渡費用120万円
譲渡所得1,680万円
税額(20.315%)約341万円
手取り額約2,539万円

パターン2: 取得費が不明の場合

条件: 売却価額 3,000万円、取得費 不明(5%ルール適用: 150万円)、譲渡費用 120万円、所有期間5年超(長期)

項目金額
売却価額3,000万円
取得費(5%)150万円
譲渡費用120万円
譲渡所得2,730万円
税額(20.315%)約555万円
手取り額約2,325万円

取得費が判明しているかどうかで、税額に約214万円の差が生まれます。古い購入契約書、領収書、住宅ローンの借入書類など、取得費を証明できる資料がないか徹底的に探すことが節税の第一歩です。

節税に使える3つの特例と判断フロー

相続した土地の売却では、要件を満たせば大幅に税額を減らせる特例が3つあります。ただし、いずれも適用期限や条件が異なり、併用できない組み合わせもあります。

1. 取得費加算の特例

相続税を納めた人が、相続した土地を一定期間内に売却した場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できる制度です。

たとえば相続税を800万円納め、相続財産全体の課税価格が5,000万円、売却する土地の相続税評価額が2,000万円であれば、加算額は 800万円 × 2,000万円 ÷ 5,000万円 = 320万円。取得費に320万円が上乗せされ、その分だけ譲渡所得が圧縮されます。

2. 空き家の3,000万円特別控除(空き家特例)

被相続人が一人暮らしをしていた住宅(とその敷地)を相続し、空き家のまま売却した場合に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。

空き家特例を使えると、先ほどのパターン2(取得費不明・譲渡所得2,730万円)でも、控除後の課税譲渡所得は0円(2,730万円 − 3,000万円)となり、譲渡所得税は非課税になります。

空き家特例の詳細な適用要件は空き家の3,000万円特別控除で解説しています。

3. 居住用財産の3,000万円特別控除(マイホーム特例)

相続した家に相続人自身が住んでいた場合は、居住用財産の3,000万円特別控除が使えます。空き家特例とは異なり、被相続人の居住だけでなく相続人の居住実態が必要です。

どの特例を使うべきか — 判断フロー

特例選びに迷ったときは、以下の順で確認してください。

  1. 相続税を納めたか? → 納めた場合は「取得費加算の特例」を検討
  2. 被相続人が一人暮らしだったか? → 空き家を相続して売る場合は「空き家特例」を検討
  3. 相続人自身がその家に住んでいたか? → 住んでいた場合は「マイホーム特例」を検討

取得費加算と空き家特例は併用できません。どちらが有利かは、相続税の納税額と譲渡所得の金額で変わります。譲渡所得が3,000万円以下なら空き家特例で全額控除できるため空き家特例が有利。譲渡所得が3,000万円を超える場合は、加算できる相続税額との比較で判断する必要があります。

売却から確定申告までの流れ

相続した土地を売却したら、翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告が必要です。譲渡所得が0円以下でも、特例の適用を受ける場合は確定申告が必須となります。

手続きのステップ

  1. 相続登記(名義変更)— 2024年4月から義務化。相続を知った日から3年以内に申請しないと、10万円以下の過料の対象
  2. 不動産会社への査定依頼 — 複数社に査定を依頼し、売出価格と仲介会社を決定
  3. 売買契約の締結 — 契約書に印紙を貼付
  4. 引き渡し・決済 — 買主から売却代金を受領
  5. 確定申告 — 売却した翌年の確定申告期間に申告・納税

相続した土地の活用を売却以外にも検討している場合は、相続した土地の活用方法と判断軸も参考にしてください。賃貸や駐車場経営との比較で売却が最適かどうかを判断できます。

確定申告で用意する書類

土地の活用方法について複数の専門家に相談したい場合は、土地活用の一括比較から無料で資料請求が可能です。売却・賃貸・駐車場など、土地の条件に合った活用プランを複数社から取り寄せて比較検討できます。

よくある質問

相続した土地を2,000万円で売却したら税金はいくらですか?

取得費が判明している場合と不明の場合で大きく異なります。取得費が800万円、譲渡費用が80万円の場合、譲渡所得は1,120万円で税額は約228万円(長期譲渡所得)です。取得費不明で5%ルール適用の場合、譲渡所得は1,820万円、税額は約370万円になります。特例が使えれば税額をさらに減らせる可能性があります。

相続した土地を3年以内に売却すると税金は安くなりますか?

相続税を納めている場合は「取得費加算の特例」が使え、相続開始から約3年10ヶ月以内の売却が条件です。また空き家特例も相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却する必要があります。いずれの特例も期限を過ぎると適用できなくなるため、売却を検討しているなら早めの行動が有利です。

相続した土地の売却で確定申告は必ず必要ですか?

売却益(譲渡所得)が出た場合は確定申告が必要です。売却損が出た場合は原則不要ですが、特例の適用を受けるためには損益にかかわらず確定申告が必要になります。申告を忘れると、無申告加算税や延滞税が発生する可能性があるため注意してください。

相続した土地を売ったお金を兄弟で分けたら税金はどうなりますか?

遺産分割協議で土地を共有名義にした上で売却する場合(換価分割)、各相続人がそれぞれの持分に応じて譲渡所得を申告します。一人が単独で相続・売却して代金を分配する場合(代償分割)は、売却した相続人だけが譲渡所得税を負担し、他の相続人への分配は贈与税の問題になり得ます。分割方法によって税負担が変わるため、事前に税理士へ相談するのが確実です。

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