執筆: 家づくりナビ編集部
編集・確認: 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ (最終確認: )
和室を洋室にリフォームする費用 — 畳→フローリング・押入れ→クローゼットの相場
和室を洋室にリフォームしたいと考えたとき、まず知りたいのは費用です。畳をフローリングに張り替えるだけなら比較的安く済みますが、押入れをクローゼットに変える、襖を引き戸に交換する、壁や天井も洋風にする、と工事範囲を広げるほど費用は積み上がります。この記事では、和室を洋室にリフォームする際の工事内容別の費用を整理し、マンションでの制約、DIYの可否、工期、費用を抑えるポイントまで解説します。
部分リフォーム別の費用相場
和室の洋室化は、すべてを一度に変える必要はありません。予算や優先度に応じて部分的に進めることもできます。ここでは6畳間(約10平米)を想定した工事別の費用目安を整理します。
畳からフローリングへの張替え
和室の洋室化で最も依頼が多い工事です。畳を撤去し、下地を調整してフローリングを施工します。
| 仕様 | 費用目安(6畳) | 特徴 |
|---|---|---|
| 合板フローリング | 10万〜18万円 | コスト重視。傷に強い表面加工が多い |
| 複合フローリング | 15万〜25万円 | 天然木化粧。質感と価格のバランスがよい |
| 無垢フローリング | 20万〜35万円 | 経年変化を楽しめる。収縮・膨張への理解が必要 |
畳の厚さは約40〜55mmで、フローリングは12mm前後のため、高さの差を調整する下地工事が必要です。この下地調整費用が合板1枚で済むか、根太(ねだ)の組み直しが要るかで3万〜8万円の差が出ます。廊下やリビングとの段差をなくすバリアフリー仕上げを求める場合は、下地調整の費用がやや上がります。
押入れからクローゼットへの変更
押入れは奥行きが約90cmあり、布団の収納には向いていますが、洋服をハンガーで掛けるには深すぎます。クローゼットに変更することで収納効率が上がります。
| 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 中段撤去+枕棚+パイプ設置(襖はそのまま) | 5万〜10万円 |
| 上記+襖を折れ戸に交換 | 10万〜18万円 |
| ウォークインクローゼット化(壁移動あり) | 25万〜40万円 |
もっとも費用を抑えられるのは、押入れの中段を撤去し、枕棚とハンガーパイプを取り付けるだけのパターンです。襖を折れ戸やスライドドアに変えると見た目も洋室らしくなりますが、費用は倍近くになります。間口が半間(約90cm)の押入れは、折れ戸にすると開口部が狭く、出し入れがしづらい場合があるため、事前にサイズ感を確認しておいてください。
襖から引き戸・開き戸への交換
| 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 襖を洋風引き戸に交換(枠はそのまま) | 3万〜8万円/1枚 |
| 襖を開き戸に変更(枠ごと交換) | 5万〜12万円/1枚 |
| 欄間の撤去+壁仕上げ | 3万〜6万円 |
襖を引き戸に交換する場合、既存の鴨居・敷居のレール溝を利用してアルミレール付きの引き戸に入れ替える方法が最も手軽です。開き戸への変更は、枠ごとの交換が必要になるため費用が上がります。隣接する部屋への動線や、ドアを開けたときの空間的な余裕も考慮してから選ぶのがよいです。
壁・天井の変更
| 工事内容 | 費用目安(6畳) |
|---|---|
| 砂壁・繊維壁の上からクロス張り | 6万〜12万円 |
| 下地処理(パテ・合板貼り)+クロス張り | 10万〜18万円 |
| 天井(竿縁天井→クロス仕上げ) | 5万〜12万円 |
砂壁や繊維壁の状態がよければ、下地処理を最小限にしてクロスを直接張れることがあります。ただし、壁面の凹凸が大きい場合や、砂壁が剥がれやすい状態だと、薄い合板(ベニヤ板)を下地として貼ってからクロスを張る工程が入ります。天井も同様で、竿縁天井(板を1枚ずつ並べた和風天井)は段差があるため、合板で覆ってからクロスを張る流れになります。
照明の変更
和室によくある蛍光灯のシーリングライトから、LEDシーリングライトやダウンライトへの変更です。
| 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|
| シーリングライト交換(引掛けシーリング活用) | 0.5万〜2万円(本体代含む) |
| ダウンライト新設(4灯) | 4万〜8万円(電気工事含む) |
シーリングライトの交換は引掛けシーリング金具がそのまま使えるなら自分でも取り付けられます。ダウンライトは天井に穴をあける電気工事が伴うため、業者への依頼が基本です。
6畳間を全面洋室化する場合の費用総額
部分リフォームの積み上げとして、6畳間を「畳→フローリング、押入れ→クローゼット、襖→引き戸、壁天井クロス張り、照明交換」の全面洋室化した場合の費用感を整理します。
| 仕上げレベル | 費用総額の目安 | 内訳の傾向 |
|---|---|---|
| 最小構成(畳+壁クロスのみ) | 16万〜30万円 | 床と壁だけを変えて洋室感を出す |
| 標準構成(床+壁+天井+建具+収納) | 35万〜60万円 | 目に見える部分をすべて洋室仕上げ |
| フル構成(上記+断熱+間取り変更) | 60万〜100万円 | 隣室との一体化や断熱強化を含む |
和室とリビングの間仕切りを撤去して広いLDKにする工事は、壁の構造によって費用が大きく変わります。構造壁(耐力壁)を撤去する場合は、代替の構造補強が必要になり、追加で20万〜50万円程度かかります。間柱だけの壁であれば10万円前後で撤去できますが、構造壁かどうかの判断は専門家に確認してもらう必要があります。
リフォーム全般の費用感はリフォーム費用相場の目安で場所別にまとめていますので、あわせてご確認ください。
マンションで和室を洋室にする場合の制約
マンションの和室リフォームには、管理規約に基づく制約がつきます。事前に確認しておかないと、工事の途中でやり直しが発生する可能性があります。
遮音等級の指定が最も重要です。多くのマンションの管理規約では、床仕上げ材の遮音等級を「L-45以上」(軽量衝撃音で45等級以上)と定めています。畳は構造上の遮音性が高いため規約を満たしやすいですが、フローリングに変更すると下階への音が伝わりやすくなります。遮音等級を満たさないフローリングを施工すると、管理組合から原状回復を求められるケースがあるため、使用するフローリング材の遮音等級を見積もり段階で確認してください。
遮音フローリング(L-45対応品)は通常のフローリングより材料費が高く、6畳で3万〜8万円の上乗せが一般的です。直貼り工法(コンクリートスラブに直接接着する方法)が採用されることが多く、二重床(置き床)がある場合は下地構造を活かして通常のフローリングを使えることもあります。
工事時間帯の制限も見逃せません。平日9時〜17時のみ、土曜は半日のみ、日曜祝日は工事不可、といった規約があると、戸建てより工期が延びやすくなります。
DIYで可能な範囲と業者に任せるべき範囲
費用を抑えたいと考えてDIYを検討する人は多いですが、工事内容によって難易度と失敗リスクが大きく異なります。
| 工事内容 | DIY難易度 | 注意点 |
|---|---|---|
| 壁紙(クロス)の張替え | 中 | 下地処理を怠ると剥がれやすい |
| シーリングライトの交換 | 低 | 引掛けシーリングがあれば工具不要 |
| 襖紙の張替え | 低〜中 | 糊付き壁紙で手軽に可能 |
| 畳→フローリング | 高 | 下地調整と段差処理が難しい |
| 押入れ→クローゼット | 高 | 中段撤去後の仕上げに技術が要る |
| 電気配線(ダウンライト等) | 不可 | 電気工事士の資格が必要 |
クロスの張替えとシーリングライトの交換は、DIYで取り組みやすい工事です。壁紙は糊付きタイプが市販されており、6畳間なら材料費1万〜2万円で済みます。ただし、砂壁の上に直接クロスを張ると接着不良を起こすことがあるため、下地のシーラー処理は省略しないでください。
畳の撤去自体は力仕事ですが可能です。問題は、畳を取った後のフローリング施工です。下地の水平調整、根太のピッチ、フローリングの割り付け、壁際の仕舞いなど、仕上がりの品質に直結する作業が多く、経験がないと床鳴りや隙間が発生しやすくなります。
「壁紙と照明はDIY、床と建具と収納は業者」という分担で進めると、費用を10万〜15万円ほど抑えつつ、仕上がり品質を維持しやすいバランスになります。
工期の目安
| 工事範囲 | 工期目安 |
|---|---|
| 畳→フローリングのみ | 1〜2日 |
| 床+壁クロス張替え | 2〜3日 |
| 全面洋室化(床+壁天井+建具+収納) | 5〜7日 |
| 間仕切り撤去を含むLDK一体化 | 7〜14日 |
部分的な工事であれば、住みながら進められます。全面改装の場合は、工事期間中の家具の移動やホコリの養生が必要になるため、仮住まいまではいかなくとも、工事部屋への出入りが制限されることは想定しておいてください。
費用を抑えるポイント
工事範囲の優先順位をつけることが最も効果的です。「見た目の印象を変える」という目的であれば、床と壁の変更だけで洋室感は十分に出ます。押入れの内部構造は使いにくさを感じた段階で後から変えても遅くありません。
複数箇所をまとめてリフォームする場合は、養生や搬入の手間を一度にまとめられるため、個別に発注するより費用が下がることがあります。和室の洋室化と一緒にリビングの床張替えや隣接する廊下のクロス張替えを依頼すると、人件費の重複部分が圧縮されます。
見積もりは同条件で2〜3社から取るのが基本です。見積書の読み方や相見積もりの取り方についてはリフォームの見積もり取り方と比較ポイントで詳しくまとめています。業者の得意分野や選定基準はリフォーム業者の選び方でも解説しています。
和室から洋室への変更は、使い勝手の改善だけでなく、将来の売却時に買い手がつきやすくなるという面もあります。中古住宅の購入者層は洋室を好む傾向が強く、和室が残っていると「リフォーム費用がかかる」とマイナス評価されることがあります。住み替えを視野に入れている場合は、資産価値の観点からも検討する価値があります。
リフォーム全般のトピックはリフォームの基礎知識で体系的にまとめています。床の張替えに特化した情報は床リフォームの費用相場も参考になります。
よくある質問
和室を洋室にリフォームする費用の総額はいくらですか。
6畳間の全面洋室化で35万〜60万円が標準的な目安です。畳からフローリング、壁と天井のクロス張替え、押入れのクローゼット化、建具の交換を含む金額です。最小限の構成(床と壁だけ)なら16万〜30万円に抑えることも可能です。間仕切り撤去や断熱強化まで含めると60万〜100万円まで上がります。
マンションで畳をフローリングに変えるときの注意点は何ですか。
管理規約で定められた遮音等級(多くの場合L-45以上)を満たすフローリング材を使用する必要があります。遮音フローリングは通常品より材料費が高く、6畳で3万〜8万円の上乗せが目安です。工事前に管理組合への申請が必要な場合がほとんどですので、見積もり段階で確認しておいてください。
畳からフローリングへの張替えはDIYでできますか。
畳の撤去自体は可能ですが、フローリング施工は下地の水平調整や段差処理に技術が求められるため、経験がない場合は業者への依頼をおすすめします。床鳴りや隙間の原因になりやすく、やり直し費用がかかると結果的に高くつくことがあります。壁紙の張替えやシーリングライトの交換はDIYでも取り組みやすいです。
和室を残すメリットはありますか。
布団派の家庭、小さな子どものいる家庭(転倒時のクッション性)、来客用の部屋として使う場合は、和室のほうが適していることがあります。畳には調湿機能もあり、湿度の高い時期に快適さを感じる面もあります。全室を洋室にせず、1室だけ和室を残す選択も有効です。