執筆: 家づくりナビ編集部
編集・確認: 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ (最終確認: )
住宅ローン固定金利ランキング — 主要10行の金利・団信・手数料を比較【2026年版】
住宅ローン 固定金利 ランキングで検索すると、金利の数字が低い順に並んだ比較表がいくつも見つかります。ただし、固定金利には「全期間固定」「10年固定」「フラット35」の3タイプがあり、同じ「固定金利」でもリスクの取り方がまったく違います。金利だけを比較して銀行を選ぶと、団体信用生命保険(団信)の保障範囲や事務手数料を含めた実質コストで損をしているケースは珍しくありません。この記事では、2026年4月時点の主要10行の固定金利を3タイプ別に整理し、金利以外の比較軸も含めたランキングの読み解き方を解説します。住宅ローン全般の基礎知識は住宅ローンの基礎知識にまとめています。
固定金利の3タイプ — 何が違うのか
住宅ローンの固定金利は、固定される期間と金利の決まり方に応じて3つに分かれます。
全期間固定型
借入から完済まで金利が一切変わらないタイプです。35年ローンなら35年間ずっと同じ金利で返済します。金利水準は3タイプの中で最も高くなりますが、返済計画の確実性では最も優れています。毎月の返済額が35年間変わらないため、将来の家計設計が立てやすい点が最大のメリットです。
一方、金利が下がった場合にも恩恵を受けられません。変動金利との差が大きい局面では「高い金利を払い続ける」ことになるリスクがあります。
10年固定型(当初固定型)
当初10年間は金利が固定され、11年目以降は変動金利に切り替わる(もしくは再度固定期間を選ぶ)タイプです。多くの銀行で「当初期間引き下げプラン」として提供されており、最初の10年間は全期間固定より低い金利が適用されます。
注意すべきは11年目以降の金利です。当初10年間の金利引き下げ幅は大きいものの、固定期間終了後の引き下げ幅は縮小する銀行が多く、11年目に適用される金利が想定より高くなることがあります。「10年固定で○%」という数字だけで判断すると、11年目以降の返済額増加に対応できない事態に陥る可能性があります。
フラット35
住宅金融支援機構と民間金融機関の提携による住宅ローンで、最長35年の全期間固定金利が特徴です。銀行独自の全期間固定型と異なり、住宅金融支援機構が証券化した債券(MBS)の利回りで金利が決まるため、金融機関によって金利に幅があります。
フラット35は団信への加入が任意で、団信に加入しない場合は金利が0.2%程度低くなります。団信の保障内容は住宅金融支援機構が提供する「新機構団信」で統一されており、銀行独自の上乗せ保障はありません。事務手数料は取扱金融機関ごとに異なりますが、「借入額の2.2%」か「借入額の1.1%」のいずれかが多い傾向です。
省エネ性能の高い住宅には「フラット35S」の金利引き下げが適用され、当初5年間または10年間、金利が0.25%引き下げられます。ZEH水準の住宅であれば当初5年間0.5%引き下げの「フラット35S(ZEH)」も利用できます。
フラット35の金利比較(2026年4月目安)
フラット35は取扱金融機関によって金利が異なります。2026年4月時点で金利水準が低い主な金融機関を比較します。
| 金融機関 | 金利(団信あり) | 事務手数料 | 繰上返済手数料 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ARUHI | 1.84%前後 | 借入額の2.2% | 無料 | フラット35の取扱件数が多い。スーパーフラットで更に引き下げ |
| 住信SBIネット銀行 | 1.84%前後 | 借入額の1.1% | 無料 | 事務手数料が低い。保証型は金利が異なる |
| 楽天銀行 | 1.84%前後 | 借入額の1.1% | 無料 | 事務手数料の安さが魅力。ハッピープログラム適用可 |
フラット35の金利は住宅金融支援機構が毎月公表する下限金利と上限金利の間で各金融機関が設定します。ARUHI・住信SBI・楽天の3行は公表レンジの下限に近い金利を提示することが多い傾向です。
ARUHIの「スーパーフラット」は自己資金の割合に応じて金利が引き下げられる独自商品で、頭金2割以上であればフラット35の最低金利からさらに引き下げが受けられます。ただし事務手数料が借入額の2.2%と高めのため、事務手数料1.1%の住信SBIや楽天と比べると初期費用に差が出ます。
3,000万円を35年間借りた場合、事務手数料2.2%で66万円、1.1%で33万円です。金利が同じであれば、事務手数料の差33万円がそのまま総コストの差になります。
全期間固定型の金利比較(2026年4月目安)
フラット35以外の銀行独自の全期間固定型を提供している金融機関を比較します。
| 金融機関 | 金利(35年固定) | 事務手数料 | 団信 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 1.75%前後 | 3.3万円+保証料 | がん診断一時金付帯可 | 対面相談可。保証料型で初期費用を抑えられる |
| みずほ銀行 | 1.80%前後 | 3.3万円+保証料 | 8大疾病保障あり | ネットと対面で金利が異なる場合あり |
| 三井住友信託銀行 | 1.70%前後 | 3.3万円+保証料 | 保障充実プランあり | 信託銀行ならではの全期間固定に注力 |
メガバンク・信託銀行の全期間固定型は、事務手数料が「定額3.3万円+保証料」方式であることが多い点が特徴です。保証料は一括前払いで100万円あたり約2万円(35年の場合)が目安のため、3,000万円借入で保証料は約60万円になります。初期費用の合計は約63万円で、フラット35の事務手数料2.2%型(66万円)と大きくは変わりません。
全期間固定型がフラット35と異なる最大のポイントは団信の内容です。フラット35の団信は死亡・身体障害保障が基本で、上乗せ保障(がん保障・3大疾病保障)は金利に+0.24%〜0.48%の追加が必要です。銀行独自の全期間固定型は、がん診断一時金や8大疾病保障を金利上乗せなし、または小幅な上乗せで付帯できる銀行があります。
団信の保障を重視する場合は、金利差だけでなく「金利+団信の保障内容」で総合的に比較する必要があります。
10年固定型の金利比較(2026年4月目安)
当初10年固定型は、固定期間中の金利がフラット35や全期間固定よりも低く設定されるため、人気の高い商品です。
| 金融機関 | 10年固定金利 | 事務手数料 | 固定期間終了後の引き下げ幅 | 団信 |
|---|---|---|---|---|
| auじぶん銀行 | 1.15%前後 | 借入額の2.2% | 店頭比-1.0%程度 | がん50%保障無料付帯 |
| SBI新生銀行 | 1.10%前後 | 5.5万円(定額) | 店頭比-0.7%程度 | 介護保障付帯可 |
| りそな銀行 | 1.20%前後 | 借入額の2.2% | 店頭比-0.7%程度 | 団信革命(金利+0.3%で全疾病) |
| 横浜銀行 | 1.15%前後 | 借入額の2.2% | 店頭比-0.65%程度 | がん保障付帯可 |
10年固定型で注意すべきは「固定期間終了後の引き下げ幅」です。当初10年間は店頭金利から大きな引き下げが適用されますが、11年目以降は引き下げ幅が縮小します。
具体例を挙げると、当初10年間の金利が1.15%で固定されていても、11年目以降の変動金利の店頭金利が3.5%、引き下げ幅が-1.0%だとすれば、11年目の適用金利は2.5%になります。金利環境が変わらなくても返済額が大幅に増加する構造です。
4,000万円・35年で借りた場合、当初10年間の月々返済額は約11.6万円ですが、11年目に金利が2.5%に上がると月々返済額は約14.2万円になります。月2.6万円、年間約31万円の負担増です。この「崖」を事前に理解せずに10年固定を選ぶと、11年目に家計が逼迫する可能性があります。
SBI新生銀行の事務手数料5.5万円(定額)は、他行の「借入額の2.2%」と比べて初期費用が大幅に抑えられます。3,000万円借入で事務手数料の差は約61万円です。金利が0.05%ほど高くても、初期費用の差を回収するのに相当な年数がかかるため、事務手数料の安さは見逃せない比較軸になります。
金利タイプ別の総返済額シミュレーション
4,000万円を35年間で借り入れた場合の総返済額を、金利タイプ別に試算します。
| 金利タイプ | 適用金利 | 月々返済額 | 総返済額 | 事務手数料込み総コスト |
|---|---|---|---|---|
| 全期間固定(35年) | 1.75% | 約12.8万円 | 約5,378万円 | 約5,441万円 |
| フラット35 | 1.84% | 約13.0万円 | 約5,447万円 | 約5,491万円(手数料1.1%) |
| 10年固定(当初) | 1.15% | 約11.6万円 | — | — |
| 10年固定(11年目〜2.5%想定) | 2.50% | 約14.2万円 | 約5,505万円 | 約5,593万円 |
| 10年固定(11年目〜1.5%想定) | 1.50% | 約12.4万円 | 約5,186万円 | 約5,274万円 |
10年固定型は11年目以降の金利次第で総返済額が大きく変わります。11年目に金利が1.5%で収まれば全期間固定より安くなりますが、2.5%まで上がると全期間固定のほうが有利です。
「変動金利と固定金利のどちらを選ぶか」という判断については固定と変動どっちが得?で詳しく解説しています。当サイトの住宅ローンシミュレーターで自分の借入条件に合わせた試算も可能です。
固定金利を選ぶときに確認すべき5つの比較軸
金利の数字だけで銀行を選ばないために、固定金利ランキングを読み解くための比較軸を整理します。
実質コスト(金利+手数料+保証料)
同じ金利でも、事務手数料が「借入額の2.2%」と「定額5.5万円」では初期費用に大きな差が出ます。保証料が別途必要な場合はそれも含めた「総支払額」で比較してください。
団信の保障内容
全期間固定型で35年間返済するということは、35年分の疾病リスクを団信でカバーするということです。がん保障や全疾病保障が金利上乗せなしで付帯する銀行を選べば、民間の生命保険を減額・解約できる可能性があり、保険料の削減分を考慮すると実質コストが逆転する場合があります。
繰上返済の条件
固定金利型の繰上返済手数料は、変動金利型より高めに設定されている銀行があります。窓口経由の繰上返済で3.3万円〜5.5万円かかる銀行もあるため、こまめに繰上返済したい人はインターネット経由の手数料体系を確認してください。
フラット35Sの適用可否
省エネ性能の高い住宅を建てる場合、フラット35Sの金利引き下げが適用されます。ZEH水準であれば当初5年間0.5%引き下げのフラット35S(ZEH)が使え、実質金利は1.3%台まで下がります。ZEH補助金の詳しい解説記事で補助金と併用する方法も確認してください。
審査基準
フラット35は住宅の技術基準(断熱性能・耐震性能等)を満たす必要がありますが、収入面の審査基準は銀行独自ローンより緩やかな傾向があります。自営業者やフリーランス、転職直後の人はフラット35のほうが通りやすいケースがあります。逆に、銀行独自の全期間固定は審査が厳しいものの、住宅の技術基準は問われません。
固定金利が向いている人の判断基準
固定金利を選ぶべきかどうかは、個人のリスク許容度とライフプランに依存します。「金利が低いから変動」「安心だから固定」という単純な二択ではなく、自分の状況を具体的に当てはめて判断することが重要です。
返済額の安定を重視する人 — 子どもの教育費や介護費用など、将来の大きな支出が見えている場合は、住宅ローンの返済額を固定にすることで家計全体のリスクを抑えられます。教育費がピークを迎える時期に住宅ローンの返済額まで上がると、家計が耐えられなくなる可能性があるためです。
金利変動の情報収集に時間を割けない人 — 変動金利は半年ごとに金利が見直されるため、金利動向を定期的にチェックし、必要に応じて繰上返済や借り換えを検討する手間が発生します。仕事や子育てで余裕がなく、住宅ローンの管理に時間をかけたくない人は、固定金利のほうがストレスが少ないと言えます。
借入額が大きい人 — 借入額が大きいほど金利上昇時の返済額増加も大きくなります。4,000万円以上の借入で35年返済の場合、金利が1%上がると年間30万円以上の負担増です。借入額が大きい人は、変動金利で取るリスクの絶対額も大きくなることを認識しておくべきです。
共働きで繰上返済の余力がある人 — この場合は変動金利を選んでも金利上昇時に繰上返済で対応できるため、固定金利にする必要性は相対的に低くなります。ただし、共働きの収入が片方途絶えるリスク(出産・転職・介護等)も考慮に入れてください。
2026年の金利環境を踏まえた判断材料は2026年の金利動向と見通しで整理しています。金利上昇局面で変動金利を選んだ場合の対策は金利上昇対策5つのポイントも参考になります。
関連記事
よくある質問
Q. 固定金利と変動金利、2026年の状況ではどちらが有利ですか
2026年4月時点で変動金利は0.6%台〜0.9%台、全期間固定は1.7%台〜1.9%台で、金利差は約0.8%〜1.2%あります。変動金利のほうが月々の返済額は低くなりますが、日銀の利上げが続けば差は縮まります。「金利が今後どこまで上がるか」の見通しによって有利不利は変わるため、一概にどちらが得とは言い切れません。重要なのは、金利が上がった場合に家計が耐えられるかどうかを事前にシミュレーションしておくことです。
Q. フラット35と銀行独自の全期間固定、どちらを選べばいいですか
団信の保障を充実させたい場合は銀行独自の全期間固定型が有利です。がん保障や全疾病保障を金利上乗せなし、または小幅な上乗せで付帯できる銀行があるためです。一方、自営業者やフリーランスで銀行審査に不安がある場合、あるいは省エネ住宅でフラット35Sの金利引き下げが使える場合はフラット35が有力な選択肢になります。
Q. 10年固定型は途中で変動金利に切り替えられますか
固定期間終了後(11年目以降)に変動金利を選択できる銀行がほとんどです。ただし、固定期間中に変動金利へ切り替えることは原則できません。固定期間中に金利が下がった場合、借り換えによって変動金利に移行するしかありませんが、借り換えには事務手数料や保証料が発生します。「10年後に金利が下がっていれば変動にすればいい」と考える場合でも、10年後の金利環境は予測できないため、固定期間終了後に高金利の変動になるリスクも想定しておく必要があります。
Q. 住宅ローンの事前審査は何社に出していいですか
事前審査は3〜5社に同時に申し込むのが一般的で、信用情報への影響は限定的です。固定金利は銀行によって金利差が大きいため、複数行に事前審査を出して実際に適用される金利を比較してから判断するのが合理的です。本審査に進むのは1社に絞ってからで構いません。
住宅ローン選びで後悔しないために
固定金利のランキングは銀行選びの出発点にはなりますが、ランキング上の金利がそのまま自分に適用されるとは限りません。審査結果によって金利が変わる銀行もあれば、団信や事務手数料を含めた実質コストでランキングの順位が逆転することもあります。
住宅ローンの金利タイプと銀行を決める前に、まずは複数のハウスメーカー・工務店から見積もりを取り、総予算と借入額を確定させることが先決です。借入額が固まれば、金利タイプごとの返済シミュレーションを具体的に行えます。
タウンライフ家づくりでは、複数のハウスメーカーから間取りプランと資金計画書を無料で一括請求できます。住宅ローンの選択に必要な「借入額」と「返済計画」の土台を整えるところから始めてみてください。