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注文住宅

注文住宅の登記費用はいくら?種類別の相場と節約方法を解説

注文住宅の引き渡しが近づくと、住宅会社から「登記の手続きが必要です」と案内されます。見積もりを見て「登記だけで30万円以上かかるのか」と驚く方は多く、住宅ローンの手続きに追われる中で内容をよく確認しないまま進めてしまうケースもあります。注文住宅の登記費用は、登記の種類ごとに登録免許税と専門家報酬が発生するため、全体像を事前に把握しておくことで無駄な出費を防げます。

この記事では、注文住宅で必要になる登記の種類、それぞれの費用相場、登記のタイミング、そして司法書士報酬の節約方法を整理します。

注文住宅で必要な登記の種類

注文住宅を建てて入居するまでに、原則として4種類の登記手続きが発生します。土地をこれから購入する場合は土地の所有権移転登記が加わり、住宅ローンを利用する場合は抵当権設定登記が必要です。

登記の種類内容依頼先時期
土地の所有権移転登記売主から買主へ土地の名義を変更司法書士土地購入時
建物表題登記新築建物の所在・構造・面積を登記簿に記録土地家屋調査士建物完成後1ヶ月以内
建物の所有権保存登記建物の所有者を登記簿に記録司法書士表題登記完了後
抵当権設定登記住宅ローンの担保権を登記簿に記録司法書士融資実行時

建物表題登記は法律上の義務で、不動産登記法47条により新築後1ヶ月以内の申請が義務付けられています。期限を過ぎると10万円以下の過料の対象になります。

所有権保存登記と抵当権設定登記は法的義務ではありませんが、住宅ローンを利用する場合は金融機関が抵当権設定登記を求めるため、実質的に必須です。所有権保存登記を行わないと抵当権設定登記もできないため、住宅ローン利用者はすべての登記が必要になります。

各登記の費用内訳と相場

土地の所有権移転登記

土地を購入する場合に必要な登記です。登録免許税と司法書士報酬で構成されます。

費用項目計算方法目安金額(土地評価額1,500万円の場合)
登録免許税固定資産税評価額 x 1.5%(軽減税率、2026年3月31日まで)22.5万円
司法書士報酬地域・事務所により異なる4〜8万円
合計26.5〜30.5万円

登録免許税の本則税率は2.0%ですが、租税特別措置法により2026年3月31日までは1.5%に軽減されています。固定資産税評価額は実勢価格のおおむね70%程度ですから、売買価格2,000万円の土地であれば評価額は1,400万円前後、登録免許税は21万円程度が目安です。

すでに土地を所有している場合(相続や贈与で取得済み)は、この登記は不要です。

建物表題登記

新築建物を法務局に登録する手続きで、土地家屋調査士が行います。建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積を登記簿に記録します。

費用項目内容目安金額
登録免許税非課税0円
土地家屋調査士報酬建物の測量、図面作成、申請代理8〜12万円
合計8〜12万円

建物表題登記には登録免許税がかかりません。費用は土地家屋調査士への報酬のみです。日本土地家屋調査士会連合会のアンケートによると、建物表題登記の報酬は全国平均で約8万円前後ですが、建物の構造や面積、地域によって10〜12万円になることがあります。

建物表題登記は、建築確認済証、検査済証、建物の図面、住民票などの書類が必要です。住宅会社や土地家屋調査士が案内してくれるのが一般的ですが、自分で申請することも法律上は可能です。

建物の所有権保存登記

表題登記を行った建物に、所有者の氏名と住所を記録する登記です。表題登記だけでは「この建物が存在する」という事実しか登録されないため、権利の主張には所有権保存登記が必要です。

費用項目計算方法目安金額(建物評価額1,200万円の場合)
登録免許税固定資産税評価額 x 0.15%(軽減税率)1.8万円
司法書士報酬地域・事務所により異なる2〜4万円
合計3.8〜5.8万円

所有権保存登記の登録免許税は本則0.4%ですが、住宅用家屋の軽減措置(租税特別措置法)により0.15%に引き下げられています。この軽減措置は2027年3月31日までの取得が対象です。

軽減措置を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。

住宅用家屋証明書は市区町村の窓口で取得でき、手数料は1,300円です。この証明書がないと軽減税率が適用されないため、司法書士に依頼する際に忘れずに伝えてください。

認定長期優良住宅の場合は税率がさらに0.1%に軽減され、認定低炭素住宅も同様に0.1%です。

抵当権設定登記

住宅ローンを借りると、金融機関が土地と建物に抵当権を設定します。万が一ローンの返済が滞った場合に、金融機関が担保物件を競売にかけて債権を回収するための権利です。

費用項目計算方法目安金額(借入額3,500万円の場合)
登録免許税借入額 x 0.1%(軽減税率)3.5万円
司法書士報酬地域・事務所により異なる3〜6万円
合計6.5〜9.5万円

抵当権設定登記の本則税率は0.4%ですが、住宅用家屋の場合は0.1%に軽減されています(2027年3月31日まで)。借入額が3,500万円の場合、本則なら14万円の登録免許税が3.5万円で済む計算です。

抵当権設定登記の司法書士は、金融機関が指定する場合がほとんどです。これは融資実行と同時に確実に抵当権を設定する必要があるため、金融機関が信頼する司法書士に依頼するという慣行です。

登記費用の総額シミュレーション

注文住宅の一般的な条件で、登記費用の総額を試算します。

前提条件: 土地評価額1,500万円、建物評価額1,200万円、住宅ローン借入額3,500万円

登記の種類登録免許税専門家報酬小計
土地の所有権移転登記22.5万円6万円28.5万円
建物表題登記0円10万円10万円
建物の所有権保存登記1.8万円3万円4.8万円
抵当権設定登記3.5万円4.5万円8万円
住宅用家屋証明書0.13万円0.13万円
合計27.8万円23.63万円約51万円

登記費用の総額は約50万円前後が目安です。土地の評価額が高いエリア(都市部)では登録免許税が上がるため、総額60万円を超えるケースもあります。

この費用は注文住宅の諸費用の一部です。諸費用全体の構成と他の項目については注文住宅の初期費用トータルで、各費用の時系列と支払い先まで整理しています。諸費用の節約ポイント全般は注文住宅の諸費用の内訳と節約方法も参考にしてください。

登記のタイミングと流れ

注文住宅の登記は、家づくりの進行に合わせて段階的に行います。

時期手続き所要日数
土地購入時土地の所有権移転登記申請から1〜2週間
建物完成〜引渡し前建物表題登記申請から1〜2週間
表題登記完了後所有権保存登記申請から1〜2週間
融資実行日抵当権設定登記融資実行と同日に申請

住宅ローンの融資実行は、建物の登記が完了していることが前提です。表題登記と所有権保存登記が終わらないと融資が実行されず、引き渡しが遅れる可能性があります。

注文住宅の引き渡しまでの流れと各手続きのタイミングについては注文住宅の支払いスケジュールで全体像を確認できます。

スケジュールに余裕がない場合は、建物完成の1ヶ月前から土地家屋調査士・司法書士との打合せを始めておくと安心です。住宅会社が提携する専門家を紹介してくれることが多いですが、自分で手配する場合は早めに動いてください。

登記費用を節約する方法

住宅用家屋の軽減措置を確実に適用する

登記費用の最大の節約は、軽減税率の適用漏れを防ぐことです。住宅用家屋証明書を取得することで、所有権保存登記と抵当権設定登記の税率が大幅に下がります。

登記本則税率軽減税率差額(借入3,500万円の場合)
所有権保存登記0.4%0.15%3万円の節約
抵当権設定登記0.4%0.1%10.5万円の節約

住宅用家屋証明書の取得を忘れると、約13万円の余計な登録免許税を支払うこになります。住宅会社や司法書士が手配してくれるのが通常ですが、自分でも把握しておいてください。

司法書士報酬を比較する

司法書士報酬は自由化されており、事務所によって金額が異なります。複数の司法書士事務所に見積もりを依頼して比較することは可能です。

ただし、抵当権設定登記の司法書士は金融機関の指定になることが多く、自由に選べない場合があります。土地の所有権移転登記は売主側の司法書士が行うのが慣行ですが、交渉の余地がある場合もあります。

比較しやすいのは建物表題登記と所有権保存登記です。住宅会社が紹介する専門家の見積もりと、自分で探した専門家の見積もりを比較してみてください。報酬の差が2〜3万円であれば、住宅会社との連携がスムーズな提携先を選ぶ方が手間の面で合理的な場合もあります。

建物表題登記を自分で行う

建物表題登記は、法律上は所有者本人が申請できます。法務局の窓口で申請書の様式と記載例を入手し、建築確認済証、検査済証、建物の図面(住宅会社から受領)、住民票を添えて申請します。

自分で申請した場合の費用は実質ゼロ(住民票の取得費用程度)で、土地家屋調査士報酬の8〜12万円が節約できます。

ただし、建物の面積計算(壁芯計算と内法計算の違い)、建物図面と各階平面図の作成には不動産登記法のルールに沿った対応が必要です。図面の作成は住宅会社に依頼できるケースもありますが、法務局の補正指示を受けて再提出になると、引き渡しスケジュールに影響する可能性があります。

時間と手間に余裕がある方は検討してください。スケジュールが厳しい場合は、専門家に依頼する方が安全です。

認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の軽減

認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合、所有権保存登記の税率が0.15%からさらに0.1%に軽減されます。建物評価額1,200万円の場合、通常の軽減で1.8万円、長期優良住宅では1.2万円です。差額は小さいですが、長期優良住宅にはこのほかにも固定資産税の軽減期間延長や住宅ローン控除の上限引上げといった税制優遇があります。

注文住宅の契約前に住宅会社から認定取得の可否と費用を確認しておくとよいでしょう。注文住宅の契約で確認すべきポイントは注文住宅の契約前に確認すべきことで整理しています。

登記にかかわる注意点

住所変更のタイミング

登記には住民票が必要ですが、新居への転居届を出すタイミングによって、後日住所変更登記が必要になるケースがあります。登記申請前に新住所へ住民票を移しておけば、新住所で登記でき、後から住所変更登記をする手間と費用(1件あたり1,000円の登録免許税+司法書士報酬)を省けます。

ただし、引き渡し前に住民票を移すことに抵抗がある方もいます。金融機関や住宅会社と相談し、最適なタイミングを調整してください。

共有名義の登記

夫婦で住宅ローンを組む場合(ペアローン、連帯債務)は、建物と土地を共有名義で登記することが一般的です。出資割合と登記の持分割合が一致しないと、差額が贈与とみなされる可能性があります。

たとえば、夫が3,000万円、妻が1,000万円を負担しているのに、持分を2分の1ずつで登記すると、夫から妻への1,000万円の贈与とみなされるリスクがあります。持分割合は出資割合に合わせて設定してください。

住宅ローンの審査と組み方については住宅ローンの事前審査で知っておくべきことを確認しておくと、登記と融資の手続きの全体像がつかみやすくなります。

登記完了後の登記識別情報

登記が完了すると、法務局から「登記識別情報通知」が交付されます。これは従来の「権利証」に相当するもので、12桁の英数字で構成されるパスワードです。将来、土地・建物を売却する際や、住宅ローンの借り換えで抵当権を抹消・再設定する際に必要になります。

登記識別情報は再発行されないため、紛失しないように大切に保管してください。万が一紛失した場合でも登記の効力は失われませんが、手続きに事前通知や本人確認情報の提供が必要になり、時間と費用がかかります。

よくある質問

注文住宅の登記費用の総額はいくらですか

土地購入と住宅ローン利用を含む一般的なケースでは、登録免許税と専門家報酬を合わせて40〜60万円が目安です。土地の評価額が高いエリアでは60万円を超えることもあります。軽減措置の適用有無で10万円以上の差が出るため、住宅用家屋証明書の取得を忘れないでください。

登記は自分でもできますか

建物表題登記は法律上、所有者本人が申請できます。自分で行えば土地家屋調査士報酬の8〜12万円を節約できます。ただし、図面作成や法務局との補正対応に手間がかかるため、引き渡しスケジュールに余裕があるかを確認してから検討してください。所有権保存登記も本人申請は可能ですが、抵当権設定登記は金融機関指定の司法書士が行うのが通常です。

登記費用は住宅ローンに含められますか 金融機関によっては、諸費用ローンとして登記費用を住宅ローンに組み込める場合があります。ただし、諸費用分の借入は金利が高くなる場合や、借入総額が増えることで審査に影響する場合があるため、事前に金融機関に確認してください。
登記のタイミングが遅れるとどうなりますか

建物表題登記は法律で新築後1ヶ月以内の申請が義務付けられており、期限を過ぎると10万円以下の過料の対象です。また、登記が完了しないと住宅ローンの融資が実行されず、引き渡しスケジュール全体が遅れます。住宅会社と専門家に早めに相談し、余裕を持ったスケジュールで進めてください。

注文住宅の登記費用は、住宅会社や金融機関の提携先によって差が出ます。複数社から間取り・見積もり・資金計画を取り寄せて比較すると、諸費用を含めた総額の違いが見えてきます。注文住宅の一括資料請求サービスで600社以上のハウスメーカー・工務店から無料で提案を受け取ることができます。

出典

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